大阪府不動産鑑定士協会
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平成23年 大阪府地価調査の概要

 地価調査とは、知事が国土利用計画法施行令第9条に基づいて基準地を選定し、不動産鑑定士による鑑定評価をもとに、毎年7月1日時点における基準地の1平方メートルあたりの正常な価格を判定し、公表するものです。



1.大阪における経済状況

 大阪経済の動向をみると、消費面では、大型小売店販売額が増加に転じたものの、家電販売額、新車販売台数、住宅建設も9か月ぶりに減少に転じた。このほかの需要面では、輸出額(近畿)は17ヶ月連続で前年同月を上回った。
 産業活動面では、生産指数は前年同月比が15か月連続で、所定外労働時間は14か月連続で増加したが、生産指数は前月比で2か月連続の低下となった。雇用面では、完全失業率(近畿)が前年同月比で低下し、有効求人倍率は前月と同水準であった。
 このように、景気は大型小売店販売額、輸出額(近畿)、所定外労働時間が増加し、持ち直しが続いているが、家電、自動車、住宅といった耐久消費財の不振に加え、生産指数が前月比で低下するなど、持ち直しの動きが弱まっている。また、住宅、自動車、輸出入など、需要・供給両面で東日本大震災の影響が続いている。

2.地価調査結果

 (1)住宅地

  1. 大阪府全体の概況
     大阪府の住宅地の平均変動率は、全ての市町村においてマイナスの変動率を示す結果となったが、前年△3.6%から本年△2.0%と下落幅は縮小している。
     住宅地の傾向として、利便性に劣る徒歩圏外の住宅地が利便性に優れる徒歩圏内の住宅地に比して高い下落率を示しており、住宅地に対する需要と地価変動の二極化傾向が指摘される。
     懸念された東日本大震災の影響については、当初取引が見合わされる状況もみられたが、早期に平常状態に戻り、特段の影響はない。また首都圏からの移転需要については震災当初に若干みられたものの、本格的な動きとはなっていない。

  2. 大阪府下(大阪市を除く)の概況

     堺市は、前年(△4.3%)より△2.2%と下落率は緩和した。区別にみても全区で下落率は縮少傾向にある。平成23年に入り、景気動向指数の回復の兆しがみえたこと、住宅エコポイントの創設、住宅ローン減税、フラット35の金利引き下げ等の住宅取得支援策が功を奏し、需要が回復したためである。
     豊能町においては、利便性の劣る郊外住宅団地の住宅需要は依然として停滞しており、町内の人口や世帯数の横ばい傾向にも変化は無く、地価は前年(△6.4%)に引き続き△5.7%と強い下落となった。
     河内長野市(前年△5.9%、本年△3.7%)について、徒歩圏内の需要はやや持ち直しているが、徒歩限界圏・バス圏・郊外住宅団地については依然として低調である。郊外住宅団地については、最寄駅距離や通勤・買い物等の利便性等により差異が見られるようになっており、南が丘・南青葉台・大矢船南町等では買い手がなかなか見つからない状態であり、地価の下落は大きい。

  3. 大阪市内の概況
     大阪市の住宅地の平均変動率は、前年△4.2%から本年△2.0%と下落がほぼ半分にまで縮小した。震災の影響から、景気の先行きは不透明ではあるが、直近の取引事例の分析、地元精通者等の意見を勘案すると、地価は依然として下落基調にあるものの、改善の兆しを見せつつある。
     リーマンショック以降用地取得を抑制していたディベロッパーサイドの取得意欲は戻ってきている。



 (2)商業地

  1. 大阪府全体の概況
     大阪府の商業地の平均変動率は、前年△6.5%から本年△3.0%と下落が縮小した。
     全34市町村のうち、高石市を除く全ての市町村においてマイナスの変動率を示す結果となった。

  2. 大阪府下(大阪市を除く)の概況
     吹田市の商業地の平均変動率は△2.6%と前年(△6.8%)から下落幅は縮小している。吹田市を代表する江坂の高度商業地においては、数年前にファンドが取得した物件の一部が、住宅系デベロッパーの採算目線に近づいてきており、底値感が見えてきた点が特徴的である。
     堺市は前年(△6.3%)より△4.4%とやや下落率が緩和した。区別では西区が前年通りの△4.7%の下落率となった他は、下落率が緩和している。しかしながら、商業地の府下平均変動率や堺市住宅地の変動率に比べて、いずれの区も大きい下落率を示しており、商業地の需要回復は芳しくない状況である。

  3. 大阪市内の概況
     大阪市においては、全ての区域においてマイナスの変動率を示す結果となった。近時、新規オフィスビルが大量供給されていることに加え、オフィス需要の減少が重なったことにより、大阪オフィスゾーンにおける空室率及び賃料の下落は持続している。新規テナント入居の実態は各エリアにおけるパイの取り合いによるテナント移動が大半であり、本当の意味での新規オフィス需要はほとんど見られない。これら要因を背景に、市内中心商業地の下落が相対的に大きい状況にある。但し、長期にわたり低稼働状況にあった新築大型ビルも本年に入り、テナント入居率が改善してきており、優良ビル賃料に底値感が出てきている。
     御堂筋沿いに存する中央5-12は、前年(△24.5%)より下落幅がやや縮小しているものの、△14.3%と強い下落を示す結果となった。これは、上述の大阪オフィス市場の現況に加え、当エリアから梅田エリア等への移転需要が見られるなど、同一需給圏内における他エリアとのポテンシャル格差が拡大傾向にあること等が要因として挙げられる。
     大阪市内オフィス市場においては、賃料は昨年、比較的大きく下落したことから、本年に入ってからやや底打ちしつつある物件も認められるものの、市内全域に目を向けると空室率上昇及び賃料下落が依然として継続しているものと把握される。
     また、JR大阪ステーションシティ(JR三越伊勢丹、ルクア、大丸梅田)、あべのマーケットパークキューズモール等の大型商業施設が今春オープンし、いずれも好調な滑り出しを見せている。特にJR大阪ステーションシティについては建設工事が進む北ヤード開発、阪急百貨店の建替えもあり、店舗間競合が激化していくことが予想される。



 (3)工業地

  1. 大阪府全体の概況
     大阪府全体の準工業地及び工業地の平均変動率は、それぞれ△2.4%(前年△3.9%)、△3.7%(前年△4.6%)といずれも下落幅がやや縮小している。

  2. 工業地域を形成する主な都市の地価動向と要因
     堺市の工業地は前年(△4.5%)に比し、△3.5%と若干下落率は緩和したものの、西区ではほぼ前年並みの下落となっている。設備投資意欲は冷え込んでおり、基幹企業であるシャープの不振1ヶ月の操業停止が特に臨海型工業地需要に影響を与えている。

     東大阪市の工業地については、景気減速による取引減少で価格の下落基調が継続している。かかる状況の中、開発素地となる土地に関しては売り手が価格を下げつつあり、業者による仕入れの兆しも見られる。また、工場用地については資金調達が困難であり、潜在需要は存在するものの、売り希望価格との開差が大きく、成約に至らない場合が多く見受けられる。

 概要は以上の通りですが、詳細については大阪府のホームページ下記アドレスへアクセスお願いします。
http://www.pref.osaka.jp/yochi/chika/chosa.html

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